さて、6月13日から14日にかけて、長崎視察にいってきました。
ということで、今回のブログはちょっと長いです。文字多めです。
<なぜ長崎?>
IFJでは観光面での活性化を4人の共通のテーマとして、活動を行っています。
津和野の観光は、大型バスで到着し、1時間程度堀割とまちなみ、おみやげやさんを見たら、
萩へと移動する…という通過型の観光です。
そんな観光ではなく、まちをじっくり見て回るような、
もっと津和野のひとと触れ合えるような観光へ変化させようじゃないか、
とプロジェクトに取り組んでいます。
長崎市は「長崎さるく」というまち歩きをテーマに、
通過型で観光客数が落ち込んでいた状況から、滞在型の観光へとシフトして、
観光客数をのばし、まちとしても活性化したとのこと。
(長崎の「さるく」についてはこちら→長崎さるく)
そこで、長崎をまちあるきの成功事例のひとつとして、視察やヒアリングをおこなってきました。
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<長崎に行ってみて。>
津和野町を朝早くに出発。車で長崎まで向かいました。
お昼頃に出島に到着し、
田中潤介さん(NPO法人長崎コンプラドールの事務局)にお会いしました。
田中さんと本庄さん(長崎国際観光コンベンション協会マネージャー)から、
長崎のまち歩きについてや運営体制、どうして成功したかなどの説明をうけました。
そのあとは田中さんの案内で、実際に「さるく」のコースを、2時間以上かけてじっくりと回りました。
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観光客としての目線で感じたのは、
「長崎に住んでいる知りあいが私のためにガイドしてくれている」という感覚。
ガイドの方が案内するのは歴史ばかりでなくて、
まちのちょっとしたおもしろいところ(川の護岸にあるハートや裏眼鏡橋とか)を紹介してくれたり、
「ここが僕の好きなお店!」と案内してくれて、おもしろかったです。
お店の方も「暑いでしょ?」っていいながら、
ざぼんの寒天をプレゼントしてくれたり、こんぶをくれたり、お店の歴史をたくさん話してくれて。
「私のためだけ」っていう特別感を感じました。
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私はどこか旅行にいくとき、ガイドブックに載らないようなところや、
地元の人しか知らないようなところに行きたくて、
地元の人に「お勧めのところない?」って聞いたり、ネットで情報を探します。
多くのひとは、そういう観光の仕方をしているのではないでしょうか?
(津和野でも観光客のかたに「お勧めのお店はどこ?」って聞かれました)
長崎ではガイドの人がつくことで、そういった観光客のニーズを満たしているわけです。
普通に考えたら、観光客全員に対してガイドをつけて「特別感」を持たせることは難しい。
行政がやると、「このお店だけを贔屓するのは…」と言って、
マップに全部のお店を載せないといけなかったり、逆に全部のお店が載らなかったりする。
けれど長崎では、市民がやるからこそ、
「好きか嫌いか」(「良いか悪いか」ではなくて)で長崎の町を案内することができ、
さらに市民ガイド500人という数の多さで、
(全員ではないにせよ)観光客に対応することができています。
さらにお店の方も「おもてなし」の精神で個々で対応することができるという、
全体としてのシステムができている。
行政は完全に黒子として、自治会などとの折衝などにあたったそうです。
長崎としての熱意・一体感を感じました。
NPOの方によれば、長崎さるくがもたらした影響は、観光面だけではなかったそうです。
観光客が歩くから、町の方が自発的に掃除をする。
ボランティアとして参加しなくても、自分の得意分野で参加する。
市民にスポットがあたったことで市民に自信と元気がでてくる。
「さるくは観光の活性化じゃなくて、まちの活性化なんだ」という言葉が印象的でした。
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<どうしてできたの?>
じゃあ、どうして長崎では全体としての熱意ができたのでしょうか?
結局は「人」と「人のつながり」が一番大きい、と私は感じました。
今回長崎でお会いした市民の方々は、
さるくを企画し実際にガイドとして行動した人たちでした。
もともと地元のいろいろな分野で活躍されていたそうですが、とてもエネルギッシュ。
さらにそれぞれの間でも、信頼関係があったそうです。(お酒をしょっちゅう飲んでいたそう)
そして市民と行政との間をつなぐ役として、
茶谷さんというプロデューサーが間にはいっていたことも大きかった。
例えば、当時の町長への連絡役は、市民から直接ではなく、
プロデューサーを通すことで通りやすくなったそうです。
あとは、長崎の特徴・自分の強みをちゃんとつかんでいたこと。
長崎の人は、道に迷った観光客を「こっちこっち!」と案内して連れて行ってしまうような、
そういう気質があるそう。
場所としても、和華蘭っていう文化のエリア分けも長崎の強みですね。
そういったことやさるくへの思いを、
言葉にして表現してみんなで共有したから、強みとして認識され、団結したのかな、と思います。
「さるく博」という博覧会形式で市民の注目を集めたのも、プラスになったそうです。
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<じゃあ、津和野はどうする?>
一番肝心なのはここですね。
長崎の真似をするのは、津和野には無理です。
市民の人数も、町の売りも、全然違うから。
長崎市は人口約44万人。津和野は約8000人。
(面積も違うし、観光エリアとしてとらえたときには、また別の人口比較になりますが。)
津和野の観光エリアの人は、自分で商売をしているので、
ガイドとして動ける人間はすごく限られています。
また、津和野の観光としてのエリアは、長崎に比べれば狭いし、商店の種類も違います。
どこのまちでもそうですが、津和野は津和野らしくやる、それしかない。
やらないといけないのは、「津和野はどういうところなのか?」を、
全体で共有することなのかな、と思います。それも、ポジティブな解釈で。
あとは、全体での一体感。
津和野は市民と行政が分離している部分があるので、そこをどうにかしないと。
津和野はどうするか、どう動いていくか、というところを、これから4人で考え動いていきます。
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